• ひとつの地球(ほし)、ひとつの生命(いのち)、いまできることから、ひとつ、ひとつ

withコロナの生活とSDGs社会

               NPO法人みどりの市民 代表理事 高木直樹

 コロナの影響で大きく生活が変わってしまいました。去年の12月に中国の武漢で新しい感染病が発生したと報道されているのには気が付いていましたが、その後の展開の速さと凄さには驚くばかりでした。最初はどのようなものなのか分からず、分からないままに不安になり、中国でのロックアウトの強烈さに驚き、日本政府の対応のひどさに憤り、予想通りに春節の観光客で日本に波及し、クルーズ船でのクラスター発生とそれに対する対策の無能さでまた憤り・・・・まさに一喜(一怒)一憂のままに春から夏を過ごしてきました。皆さんはどうでしたか? 

 コロナの影響で多くの人の命が奪われました。国民的に人気があったタレントもなくなりました。そのような悲しい出来事があったためか、マスクをして、ソーシャルディスタンスを取り、気を付けながら生活することは社会的に受け入れられているように感じますが、外国ではうまくいかない国も多くあります。マスクをする・しないで喧嘩になったり、コロナに気を付けて生活するストレスがたまったためか様々な爆発的な暴力行為が発生したりしています。

 今の新型コロナウイルスはいずれ克服されていくのでしょうが、今後も新しいウイルスが突然変異的に発生し、今回と同じようにパンデミックになることは避けられそうにありません。新しい脅威と向き合っていかなければならないようです。そして気候変動の脅威もますます顕著になってきています。明るい未来をイメージすることよりも、暗い未来をイメージせざるを得ない時代になってしまいました。

 身の回りを見れば、コロナの影響で自宅にいる時間が増え、ほとんどの仕事が在宅でできるようになりました。またセミナーや勉強会などのイベント物もWEB開催できるようになりました。withコロナの生活にも喜びは多くあります。家庭を大事にして、身の回りのささやかな喜びに目を向けることは、楽しい幸せをもたらすことが分かりました。豪華さを追いかけたり、たくさんのモノを買うというバブル的な喜びを追わなくても幸せと感じることができることを理解できたのではないでしょうか?地球に過大な負担をかけていた生活を見直すことは気候変動対策としても有効な生活だと思います。

 SDGsでは17のゴールが明示されています。会社などが複数のゴールに向けて企業活動をしている旨を明示することで、企業イメージの向上を目指すような宣伝活動を行っています。もちろん企業ができることでSDGsをイメージしながら活動することは良いことです。しかしSDGsにはその基本的な概念としての「誰一人取り残さない」というキーワードがあることを忘れてはいけません。世界中のすべての人がきちんと生活できるように配慮をしながら資源や経済を動かしていくことが求められています。コロナの影響で内向きの生活になりがちですが、周りの人や遠くにいる人のことにも思いを巡らせて生活していきたいものです。